スミスマシンの使い方を、ビッグ3(ベンチプレス・デッドリフト・スクワット)を中心に詳しく解説するとともに、その他の各種目も詳細に解説します。また、あわせて、おすすめの自宅用スミスマシンもご紹介します。
目次
※本記事は提供元サイト(BUKIYA-MOBILE/武器屋.net)より転載・出力しています。著作権・コンテンツ権・引用および免責事項についてはこちらをご参照ください。
※本記事は世界チャンピオン金井選手・山田選手も所属し、ワールドゲームズや国体にも参加実績のある公式競技団体「JAWA」の情報記事として公開されています。
※当サイトでは、科学的に正しい記載を行うことを第一に考えており、「厚生労働省|eヘルスネット」および公共性の高い情報サイトである「Wikipedia」からエビデンスを担保しています。主なエビデンスに関してはこちらのページでご確認ください。
■スミスマシンの構造と特徴
スミスマシンは、この図のように左右にシャフトを支えるためのレールが設置されており、単純な垂直軌道をとるマシンです。
マシンレールがウエイトの前後左右のブレを受け止め支えるため、トレーニーはウエイトを挙げる動作のみに集中でき、バーベルフリーウエイトトレーニングに比べて、高負荷で集中的に筋肉を鍛えることが可能です。
反面、軌道の逃げ場がなく、誤ったフォームで行うと軌道のブレやズレは全てトレーニーの関節や靭帯にひずみとして加わります。
ですので、特に高重量でのスミスマシントレーニングにおいては、事前にシャフトだけでのフォームチェックや軌道確認が重要です。
また、スミスマシンは高負荷で表層筋に負荷をかけられますが、軌道のブレを支える必要がないことから深層筋(体幹インナーマッスル)が強くなりにくいというデメリットもあります。バーベルやダンベルを使ったフリーウエイトトレーニングと組み合わせていくのが、総合的な身体作りには必須で、具体的にはフリーウエイト種目である程度筋肉を追い込んでおき、最終的な追い込みとしてターゲットの筋肉に高負荷をかえるというやり方です。
そして、最後は低負荷フリーウエイト種目で仕上げる、というのが定番になります。
【スミスマシンとフリーウエイトの組み合わせ例】
①バーベルベンチプレス→スミスマシンベンチプレス→ダンベルフライ
②バーベルデッドリフト→スミスマシンデッドリフト→ダンベルローイング
③バーベルスクワット→スミスマシンスクワット→ダンベルレッグエクステンション
■スミスマシンで鍛えられる筋肉部位
●トレーニングの基本として重要
筋肉を鍛えていく上で、重要なのが全身の主な筋肉のグループ分けとそれぞれの作用を知ることです。
全身の筋肉は、主に4つのグループに分けられ、それぞれの主な作用は以下の通りです。
●上半身の押す筋肉グループ
◯大胸筋
胸の筋肉で腕を前に押し出す・前で閉じる作用がある
◯三角筋
肩の筋肉で腕を上・横・前・後ろに上げる作用がある
◯上腕三頭筋
腕の後ろの筋肉で肘を伸ばす作用がある
●上半身の引く筋肉グループ
◯広背筋
背中の筋肉で腕を上や前から引き寄せる作用がある
◯僧帽筋
背中の筋肉で腕を下から引き寄せる作用がある
◯上腕二頭筋
腕の前の筋肉で肘を曲げる作用がある
●体幹の筋肉グループ
◯腹筋群
体幹前側の筋肉で胴体を曲げる・捻る作用がある
◯脊柱起立筋群
体幹後ろ側の筋肉で胴体を伸ばす作用がある
●下半身の筋肉グループ
◯大腿四頭筋
太腿前側の筋肉で膝を伸ばす作用がある
◯ハムストリングス
太腿後ろ側の筋肉で膝を伸ばす作用がある
◯臀筋群
お尻の筋肉で股関節を伸ばす作用がある
以上は、あくまでも筋トレをしていく上で、最低限知っておくべき筋肉で、このほかの数多くの筋肉があります。
▼さらに詳しい筋肉の構造と作用
【筋肉部位名称スマホ完全図鑑】胸・背中・腕・腹・下半身・インナーマッスルの名前と鍛え方
■筋トレ目的に合わせた重量設定
筋トレを始めるにあたって、まず知っておきたいのがトレーニング目的別の重量設定の方法で、そのためには筋肉を構成する3種類の筋繊維の特徴を理解しなくてはいけません。それは、以下の通りです。
●ターゲットにする筋繊維に最適な反復回数
筋肉を構成している筋繊維には主に三種類があり、それは、筋繊維TYPE2b(速筋|FG筋)、筋繊維TYPE2a(速筋|FO筋)、筋繊維TYPE1(遅筋|SO筋)で、それぞれの特徴と鍛えるのに適切な反復回数は以下の通りです。
●筋繊維TYPE2b(速筋|FG筋)
収縮が速く(Fast)、グリコーゲン(Glycogen)を消費する速筋で、FG筋とも呼ばれます。30秒以内の瞬発的な動作で爆発的に収縮し、鍛えると強く筋肥大します。筋肥大バルクアップ筋トレのターゲットとなる筋繊維で、10回前後の反復回数で限界がくるような高負荷設定でトレーニングします。
●筋繊維TYPE2a(速筋|FO筋)
収縮が比較的速く(Fast)、酸素(Oxygen)と脂肪酸を消費する速筋で、FO筋とも呼ばれます。60秒以内の持久要素のある瞬発的な動作で収縮し、鍛えるとある程度の筋肥大が起こります。細マッチョ筋トレや女性の部分ボリュームアップのターゲットとなる筋繊維で、15回前後の反復回数で限界がくる中負荷設定でトレーニングします。
●筋繊維TYPE1(遅筋|SO筋)
収縮が比較的遅く(Slow)、酸素(Oxygen)と脂肪酸を消費する遅筋で、SO筋とも呼ばれます。60秒以上の持久的な動作で持続的に収縮し、鍛えると筋密度が向上し引き締まります。引き締めダイエット筋トレのターゲットとなる筋繊維で、20回以上の反復回数で限界がくる低負荷設定でトレーニングします。
それでは、ここからは全身の筋肉部位別にスミスマシントレーニングを詳しく解説していきます。
■大胸筋のスミスマシントレーニング
●スミスマシンベンチプレス
スミスマシンベンチプレスは、バーベルベンチプレスに近い感覚で大胸筋を鍛えられるジムマシン筋トレです。
スミスマシンを使ったトレーニング全般に言えることですが、スミスマシンはウエイトのブレをマシンのレールが支えてくれるので、筋肉に負荷をかけることに集中できるメリットがある反面、フォームが良くないと歪みが全て関節や靭帯に帰ってきます。事前にウエイトをつけずにフォームの確認動作を行い、関節や靭帯に負担がかからないフォームを確認することをおすすめします。
本種目の場合は、グリップした拳が肩のラインを越えて頭側にならないようにすることが大切です。
スミスマシンベンチプレスはベンチに仰向けになり、80cm程度のグリップ間隔でシャフトを握ります。
そこから、肩甲骨を寄せ、足で上半身を押すように力を加えてブリッジを作り構えます。
グリップを握る→肩甲骨を寄せる→足を踏ん張る、腰をつけるというのが正しいブリッジの組み方で、順番を間違えると上手くブリッジが組めませんので注意してください。
ブリッジを作って構えたら、シャフトをラックアウトして胸に下ろしていきますが、この時に胸の上でバウンドさせると、効果が半減するだけでなく、胸骨や肋骨をいためる原因になります。
シャフトはバウンドさせず、胸の上で一瞬静止するようにコントロールしてください。
シャフトを胸に下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま、腰を浮かせずにシャフトを押し上げます。
肩甲骨の寄せ方が甘いと、肩から初動することになり、大胸筋に効かないばかりか、肩関節に強い負担がかかります。
また、腰を浮かせると上げやすくなりますが、筋肉に対する負荷は弱まりますので、腰は最後までシートにつけるようにしましょう。
なお、大胸筋の収縮と首の連動性を考慮し、腕を押し上げた位置でやや顎を引く動作を加えると、大胸筋が完全収縮して効果的です。
【正しいやり方と手順】
①ベンチに仰向けになり、シャフトをグリップし、肩甲骨を寄せてブリッジを作って構える
②シャフトをラックアウトし、筋力でコントロールしながら胸まで下ろす
③腰を浮かせないように気をつけ、腕を押し上げ、顎を引いて大胸筋を完全収縮させる
●スミスマシンインクラインベンチプレス
スミスマシンインクラインベンチプレスは、上半身を斜めに起こして行うバリエーションで、大胸筋上部に効果的です。
【正しいやり方と手順】
①インクラインベンチに仰向けになり、シャフトをグリップし、肩甲骨を寄せて構える
②シャフトをラックアウトし、筋力でコントロールしながら胸まで下ろす
③腰を浮かせないように気をつけ、腕を押し上げ、顎を引いて大胸筋を完全収縮させる
●スミスマシンデクラインベンチプレス
スミスマシンデクラインベンチプレスは、上半身を斜め下むきにして行うバリエーションで、大胸筋下部に効果的です。
【正しいやり方と手順】
①デクラインベンチに仰向けになり、シャフトをグリップし、肩甲骨を寄せて構える
②シャフトをラックアウトし、筋力でコントロールしながら胸まで下ろす
③腰を浮かせないように気をつけ、腕を押し上げ、顎を引いて大胸筋を完全収縮させる
●スミスマシンワイドベンチプレス
スミスマシンワイドベンチプレスは、手幅を広くグリップして行うバリエーションで、大胸筋外側に効果的です。
【正しいやり方と手順】
①ベンチに仰向けになり、シャフトを狭い手幅でグリップし、肩甲骨を寄せてブリッジを作って構える
②シャフトをラックアウトし、筋力でコントロールしながら胸まで下ろす
③腰を浮かせないように気をつけ、腕を押し上げ、顎を引いて大胸筋を完全収縮させる
●スミスマシンリバースグリップベンチプレス
スミスマシンリバースグリップベンチプレスは、フラットベンチしかない環境でも大胸筋上部に集中的な負荷をかけられるバリエーションで、逆手でグリップして行います。
【正しいやり方と手順】
①ベンチに仰向けになり、シャフトを逆手でグリップし、肩甲骨を寄せてブリッジを作って構える
②シャフトをラックアウトし、筋力でコントロールしながら胸まで下ろす
③腰を浮かせないように気をつけ、腕を押し上げ、顎を引いて大胸筋を完全収縮させる
■三角筋のスミスマシントレーニング
●スミスマシンショルダープレス
スミスマシンショルダープレスは三角筋全体に効果的な肩のトレーニングの基本となるジムマシン筋トレです。
スミスマシンを使ったトレーニング全般に言えることですが、スミスマシンはウエイトのブレをマシンのレールが支えてくれるので、筋肉に負荷をかけることに集中できるメリットがある反面、フォームが良くないと歪みが全て関節や靭帯に帰ってきます。事前にウエイトをつけずにフォームの確認動作を行い、関節や靭帯に負担がかからないフォームを確認することをおすすめします。
本種目の場合は、肩に歪みがかからないように、バーベルショルダープレスに比べ、やや後ろに引いた位置で構えます。
スミスマシンショルダープレスは、シートに座り、胸を張り背すじを伸ばして、シャフトを胸の位置に置いて構えます。
そこから、腕を押し上げていきますが、この時に肘が身体の後ろ側に入らないように気をつけてください。
肘が身体の後ろ側に入ってしまうと、肩関節に開き負荷がかかりますので、常に身体の前側を肘が通る軌道で行います。
本種目は腕を押し上げる時に三角筋の前部と中部に、ウエイトに耐えながら下ろす時に三角筋の後部に効果があります。
元に戻る時も、しっかりと筋力でコントロールして動作を行ってください。
【正しいやり方と手順】
①胸を張り背すじを伸ばし、胸の位置でシャフトを構える
②肘が身体の前側を通る軌道で腕を押し上げ、肩甲骨は寄せない
③ゆっくりと効かせながら元に戻る
●スミスマシンアップライトロー
スミスマシンアップライトローイングは効かせるのが難しい三角筋種目のなかでは、比較的動作が簡単なジムマシン筋トレです。
スミスマシンアップライトローイングは、胸を張り背すじを伸ばし、腕を下ろした位置でシャフトをグリップして構えます。
そこから肘を先行させてバーを引き上げていきますが、この時に肩関節を寄せないように気をつけてください。
肩甲骨を寄せる動作をしてしまうと、負荷が背筋群に分散してしまいますので、肩甲骨を寄せたり、上半身を反らしたりせずに動作を行うことが大切なポイントです。
なお、肘を前に張り出すと三角筋前部に、肘を横に張り出すと三角筋中部に、肘を後ろに引き気味にすると三角筋後部に負荷がかかります。
【正しいやり方と手順】
①胸を張り背すじを伸ばし、腕を下ろした位置でシャフトをグリップして構える
②肩甲骨を寄せず、肘を先行させてバーを引き上げる
③ゆっくりと効かせながら元に戻る
■上腕三頭筋のスミスマシントレーニング
●スミスマシンナローベンチプレス
スミスマシンナローベンチプレスは上腕三頭筋に効果があるジムマシン筋トレです。
スミスマシンナローベンチプレスは、ベンチに仰向けになり、肩幅程度の狭い手幅でシャフトをグリップし、肩甲骨を寄せて構えます。
構えたら、シャフトをラックアウトして胸に下ろしていき、バーが胸についたら腕を押し上げていきますが、この時に肩甲骨は寄せたままで動作を行ってください。
肩甲骨の寄せ方が甘いと、肩から初動することになり、肩関節に強い負担がかかります。
なお、本種目は肘を外に張り出すと上腕三頭筋外側の短頭に、脇を閉めて肘を絞ると上腕三頭筋内側の長頭に負荷がかかります。
【正しいやり方と手順】
①肩幅程度の狭い手幅でシャフトをグリップし、肩甲骨を寄せて構える
②シャフトをラックアウトし、胸まで下ろす
③肩甲骨を寄せたまま腕を押し出す
■背筋群のスミスマシントレーニング
●スミスマシンデッドリフト
スミスマシンデッドリフトは背筋群全体に効果的で、背筋トレーニングの基本となるジムマシン筋トレです。
スミスマシンを使ったトレーニング全般に言えることですが、スミスマシンはウエイトのブレをマシンのレールが支えてくれるので、筋肉に負荷をかけることに集中できるメリットがある反面、フォームが良くないと歪みが全て関節や靭帯に帰ってきます。事前にウエイトをつけずにフォームの確認動作を行い、関節や靭帯に負担がかからないフォームを確認することをおすすめします。
本種目の場合は、足をシャフトに触れるまで前に出して構えることが大切です。
スミスマシンデッドリフトには、足の開きかたとグリップ方法により、主に二種類のバリエーションがあり、それぞれの特徴は以下の通りです。
◯ヨーロピアン(ルーマニアン)スタイル
肩幅程度に足を狭く置き、足の外側をグリップするバリエーションで、より背筋群への負荷比率が高いため、背筋トレーニングとしてスミスマシンデッドリフトを行う場合におすすめです。
◯ワイドスタンス(スモウ)スタイル
大きく開いた足の内側でシャフトをグリップするバリエーションで、下半身へかかる負荷比率も高いため、全身運動としてスミスマシンデッドリフトを行う場合におすすめです。
スミスマシンデッドリフトは、非常に高負荷で背筋群を鍛えられる種目ですが、誤ったフォームで行うと腰や膝に強度の負担がかかります。しっかりと正しいフォームを身につけて行ってください。
まず、足がシャフトに触れる位置に足を置き、胸を張り背すじを伸ばし、ややお尻を突き出してシャフトをグリップします。この時に、背中が丸まらないように顎を上げて上を見るのがポイントです。
そこから、バーを引き上げていきますが、初動は上半身ではなく下半身の力でスタートします。ウエイトが床から浮いたら、肩甲骨を寄せながらバーを引き上げていき、引き上げた位置で肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させます。
【正しいやり方と手順】
①足をシャフトに触れる位置に置き、胸を張り背すじを伸ばし、ややお尻を突き出して構える
②上を見て、初動は下半身でスタートし、ウエイトが浮いたら肩甲骨を寄せながらバーを引き上げていく
③バーを引き上げたら、肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させる
●スミスマシンベントオーバーロー
スミスマシンベントオーバーローは背筋群全体に効果的なバーベルトレーニングです。
本種目は、肩幅程度の手幅でシャフトをグリップし、胸を張り、背すじを伸ばし、膝を曲げ、お尻を突き出した前傾姿勢をとります。
これを「ニーベントスタイル」と呼び、多くのトレーニング種目の基本となる姿勢です。
ニーベントスタイルのポイントは、「背中が丸まらないように上を見る」ことと「膝をつま先より前に出さない」ことで、これにより腰と膝に負担がかかるのを防ぎます。
ニーベントスタイルでシャフトを保持して構えたら、バーを引き上げていきますが、この時に、シャフトの中心ができるだけヘソの垂直線下に近い位置を保ったままの軌道で引き上げることが重要です。
具体的には、太ももの表面をバーが擦りながら引き上げてくる軌道になります。
バーをヘソの近くまで引き上げたら、肩甲骨を寄せきって背筋群を完全収縮させてください。
そして、ある程度コントロールした速度で元に戻ります。
【正しいやり方と手順】
①肩幅程度の手幅でシャフトをグリップし、胸を張り背すじを伸ばし、お尻を突き出した前傾姿勢(ニーベントスタイル)で構える
②太ももに沿わせてバーを引き上げる
③肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させる
④コントロールしながら元に戻る
●スミスマシンショルダーシュラッグ
スミスマシンショルダーシュラッグは、僧帽筋に集中的な効果があるジムマシン筋トレです。
スミスマシンショルダーシュラッグは、手幅程度のグリップでシャフトを握り、胸を張り背すじを伸ばしてから、バーをラックアウトして構えます。
そこから、肩甲骨を寄せながら肩をすくめるような動作でバーを引き上げていきますが、この時に肩関節を動かさないように気をつけてください。
肩関節を動かしてしまうと、広背筋に負荷が分散してしまいますので、肩甲骨を寄せる動作だけに意識を専念して行います。
そして、肩をできるだけすくめたら、肩甲骨を寄せきり僧帽筋を完全収縮させてください。
この時に、僧帽筋の収縮と首の連動性を考慮して、顎を上げる動作を加えると、僧帽筋がさらに強く収縮して効果が高まります。
【正しいやり方と手順】
①胸を張り背すじを伸ばし、肩幅程度のグリップで構える
②肩関節を動かさないように気をつけ、肩甲骨を寄せながらバーを引き上げていく
③バーを引き上げたら、肩甲骨を寄せきり僧帽筋を完全収縮させる
④ゆっくりと効かせながら元に戻る
■上腕二頭筋のスミスマシントレーニング
●スミスマシンドラッグカール
スミスマシンドラッグカールは、本来はアイソレーション種目(単関節運動)であるカール系種目を、あえて肘を引く動作を加えてコンパウンド種目(複合関節運動)にした種目で、通常のカール系トレーニングよりもより高重量で上腕二頭筋短頭を鍛えられるトレーニングです。
本種目は、スミスマシンに正対し、肩幅程度の手幅でシャフトグリップして構えます。そこから、肘を曲げていきますが、この時に上半身を後ろに傾けないことが重要です。上は新を後傾させると、負荷の多くが僧帽筋に分散してしまいますので、直立姿勢を維持してください。
肘を45度前後まで曲げるまでは、肩関節は固定し、肘から先だけで動作を行います。そして、肘の角度が45度前後になったら、肘を後ろに引きながらできるだけ高くバーを引き上げて上腕二頭筋短頭を完全収縮させます。
上腕二頭筋短頭を完全収縮させたら、そこから同じ軌道で、ゆっくりと筋肉にエキセントリック収縮(伸張性収縮)を加えながら元に戻ります。
【正しいやり方と手順】
①胸を張り背すじを伸ばし、腕を下ろし、肩幅程度の手幅でシャフトをグリップして構える
②肘の角度が45度前後までは肘から先だけでバーを上げていく
③上半身を後傾させないように気をつけ、肘を後ろに引いて上腕二頭筋短頭を完全収縮させる
④ゆっくりと効かせながら元に戻る
■下半身のスミスマシントレーニング
●スミスマシンスクワット
スミスマシンスクワットはバーベルスクワットに近い感覚で鍛えられる、下半身全体に効果があるジムマシン筋トレです。
スミスマシンを使ったトレーニング全般に言えることですが、スミスマシンはウエイトのブレをマシンのレールが支えてくれるので、筋肉に負荷をかけることに集中できるメリットがある反面、フォームが良くないと歪みが全て関節や靭帯に帰ってきます。事前にウエイトをつけずにフォームの確認動作を行い、関節や靭帯に負担がかからないフォームを確認することをおすすめします。
本種目の場合は、通常のバーベルスクワットのようにシャフトの真下に入ってしまうと、膝への歪み負荷の逃げ場がなくなりますので、必ず足をやや前に置き、マシンにもたれるように構えてください。
スミスマシンスクワットは、胸を張り背すじを伸ばし、ややお尻を突き出してシャフトを僧帽筋の上に乗せて構えます。
そこからしゃがんでいきますが、この時に膝がつま先より前に出ないよう、お尻を後ろに突き出しながらしゃがんでください。
膝がつま先より前に出てしまうと、非常に強い負担が膝関節にかかり、故障の原因になってしまいます。
また、腰を痛めないために背中を丸めないことも大切で、これは目線を上に向けることで意識しやすくなります。
これらのポイントに留意し、太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、ややマシンを後ろに押すようなイメージで立ち上がります。
【正しいやり方と手順】
①胸を張り背すじを伸ばして構える
②目線を上にやり、背中が丸くならないように意識して、お尻を突き出しながらしゃがむ
③太ももが床と平行になるまでしゃがむ
④マシンを後ろに押すようなイメージで立ち上がる
なお、本種目は足の置き方で主に二種類のバリエーションがあり、それは以下のようになります。
◯ナロースタンス
肩幅程度の狭い足幅で行うバリエーションで、大腿四頭筋の前側に負荷がかかります。
◯ワイドスタンス
足を広めに開いて行うバリエーションで、大腿四頭外側や内転筋群に負荷がかかります。
■おすすめの自宅用スミスマシン
●ファイティングロード
自宅用スミスマシンとしてもっともリーズナブルなのが、ファイティングロード製のスミスマシンですが、角材の厚みが普及品よりは厚いTORUSTタイプですので、一般的な自宅トレーニングには十分な強度があります。
●ワイルドフィット
ワイルドフィット製のスミスマシンも、ファイティングロード製とほぼ同等の性能を持つ、自宅使用におすすめのタイプです。
●BODYSOLID
ジム用に近い性能の、高耐久タイプがBODYSOLID製スミスマシンで、本格的なホームジム(目安として200kg使用)に導入するのであれば、このランクがおすすめです。
なお、ジム用との違いは接合部分が溶接(ジム用)かボルト止め(家庭用)の違いです。
自宅筋トレ方法|大胸筋の筋トレ
自重筋トレ方法|背筋群の筋トレ
チューブ筋トレ|三角筋の筋トレ
ダンベル筋トレ|三頭筋の筋トレ
マシーン筋トレ|二頭筋の筋トレ
バーベル筋トレ|腹筋群の筋トレ
筋肥大筋トレ法|下半身の筋トレ
---------------
■スミスマシン筋トレにおすすめのグッズ
●リストラップ
手首を補助し、効率的なプレス系トレーニングに必須とも言えるのがリストラップで、目的・レベルに応じてさまざまなタイプがあります。
▼詳しく見る
●エイトストラップ&パワーグリップ
握力を補助するトレーニング用品として、圧倒的なサポート力のエイトストラップやクイックな装着が魅力のパワーグリップなどがあり、プル系トレーニングのマストアイテムです。
▼詳しく見る
おすすめのエイトストラップ&パワーグリップ|武器屋・鬼&GLFIT公式
●トレーニングベルト
腰を物理的にサポートするだけでなく、腹圧を高めて最大筋力を向上させるトレーニングベルトは、筋トレにおいて最も重要なアイテムで、目的・レベルにあわせてさまざまなタイプがあります。
▼詳しく見る
●エルボースリーブ
多くのトレーニーが抱える悩みが肘の問題ですが、こちらのエルボースリーブは並行巻きからX巻きまででき、個人にあわせたサポートが可能です。
▼詳しく見る
■全スミスマシン種目一覧
スミスマシンベンチプレス
スミスマシンデッドリフト
スミスマシンベントオーバーロー
スミスマシンシュラッグ
スミスマシンショルダープレス
スミスマシンアップライトロー
スミスマシンナローベンチプレス
スミスマシンドラッグカール
スミスマシンスクワット
※当サイトの表現するバルクアップとは筋肥大、バストアップとは胸の土台となる大胸筋のバルクアップ、ダイエットとは健康的な体脂肪率の減少、引き締めとは食事管理と合わせた総合的なダイエットを指します。
【執筆者情報】上岡岳|日本アームレスリング連盟常任理事|元日本代表|国際レフリー|ジムトレーナー|生物学学芸員