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大胸筋のチューブトレーニング|上部・下部・内側を部位別に鍛える筋トレ方法

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大胸筋のチューブトレーニングを、上部・下部・内側の部位別に詳しく解説します。

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記事制作©FutamiTC/MazurenkoJapan


■大胸筋の構造と作用

●大胸筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止

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読みかた:だいきょうきん
英語名称:pectoralis major muscle
部位詳細:上部中部(内側)下部
起始:鎖骨の内側胸骨前面第2~第6肋軟骨腹直筋鞘前葉
停止:上腕骨大結節稜

●上部・下部・内側に分けられる

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大胸筋は上部・下部・内側に分けられ、全てが同時に収縮することで「腕を前方に押し出す」作用があります。また、それぞれの部位ごとの作用は以下のようになります。

〇上部:腕を斜め上方に押し出す

〇内側:腕を胸の前で閉じる

〇下部:腕を斜め下方に押し出す

大胸筋(だいきょうきん)は、胸部の筋肉のうち、胸郭外側面にある胸腕筋のうち、鎖骨、胸骨と肋軟骨(第2~第7前面)、腹直筋鞘の3部を起始とし、上外方に集まりながら、上腕骨の大結節稜に停止する。大胸筋を鍛える筋力トレーニング法には多くの種目が存在する。最も手軽で一般的なのはプッシュアップ(腕立て伏せ)であり、バーベルを使ったベンチプレス、ダンベルを使ったダンベル・フライなどもよく知られている。身体前面に位置し、もっとも目立つ筋肉の一つであることからボディビルなどでは重要視される筋肉の一つ。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/大胸筋

▼さらに詳しい筋肉の構造と作用

【筋肉部位名称スマホ完全図鑑】胸・背中・腕・腹・下半身・インナーマッスルの名前と鍛え方

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■大胸筋の筋トレの負荷回数設定

●筋繊維の種類と特徴

筋肉を構成している筋繊維には主に三種類があり、それは、筋繊維TYPE2b(速筋|FG筋)、筋繊維TYPE2a(速筋|FO筋)、筋繊維TYPE1(遅筋|SO筋)で、それぞれの特徴と鍛えるのに適切な反復回数は以下の通りです。

●筋繊維TYPE2b(速筋|FG筋)

収縮が速く(Fast)、グリコーゲン(Glycogen)を消費する速筋で、FG筋とも呼ばれます。30秒以内の瞬発的な動作で爆発的に収縮し、鍛えると強く筋肥大します。筋肥大バルクアップ筋トレのターゲットとなる筋繊維で、10回前後の反復回数で限界がくるような高負荷設定でトレーニングします。

●筋繊維TYPE2a(速筋|FO筋)

収縮が比較的速く(Fast)、酸素(Oxygen)と脂肪酸を消費する速筋で、FO筋とも呼ばれます。60秒以内の持久要素のある瞬発的な動作で収縮し、鍛えるとある程度の筋肥大が起こります。細マッチョ筋トレや女性の部分ボリュームアップのターゲットとなる筋繊維で、15回前後の反復回数で限界がくる中負荷設定でトレーニングします。

●筋繊維TYPE1(遅筋|SO筋)

収縮が比較的遅く(Slow)、酸素(Oxygen)と脂肪酸を消費する遅筋で、SO筋とも呼ばれます。60秒以上の持久的な動作で持続的に収縮し、鍛えると筋密度が向上し引き締まります。引き締めダイエット筋トレのターゲットとなる筋繊維で、20回以上の反復回数で限界がくる低負荷設定でトレーニングします。

なお、チューブトレーニングにおいて負荷を高めるのに有効なのが、動作自体をゆっくりと行うスロートレーニングや、元に戻る動作をゴムの張力に耐えながら筋肉にエキセントリック収縮(伸長性収縮)を加える手法です。

・厚生労働省によるスロートレーニングに関する記載

スロートレーニングとは、筋肉の発揮張力を維持しながらゆっくりと動作するレジスタンス運動のひとつの方法です。比較的軽めの負荷であっても、ゆっくりと動作することで大きな筋肥大・筋力増強効果を得ることができます。関節や筋肉にかかる負荷が小さいことから、安全に行える有効なレジスタンス運動として期待されています。

引用:厚生労働省eヘルスネット「スロートレーニングとは」

・WikipediaによるDOMS(遅発性筋肉痛)に関する記載

DOMSの主原因となる運動は、筋肉が収縮方向とは逆方向に引きのばされながら力を発揮(伸張性収縮、或いはエキセントリック収縮)する運動である。筋肉を収縮させながら力を発揮(短縮性収縮、或いはコンセントリック収縮)する運動ではほとんどDOMSが生じない。

引用:Wikipedia「遅発性筋肉痛」

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■大胸筋全体のチューブトレーニング

チューブチェストプレスは大胸筋に有効なゴムバンド筋トレで、チューブでの胸トレーニングの基本となる種目です。

チューブチェストプレスは、胸を張り肩甲骨を寄せて構えます。構えた時に肩甲骨を十分に寄せていないと肩から初動することになり、三角筋に負荷がかかり、大胸筋に対する効果が半減しますので、セット中は常に肩甲骨を寄せておくようにしてください。

腕を押し出したら、やや腕を閉じる方向にも力を入れて大胸筋を完全収縮させます。また、大胸筋と首の動きの連動性から、この時に顎を引く動作を加えることでさらに強く大胸筋が収縮して効果が倍増します。

大胸筋を完全収縮させたら、同じ軌道で元に戻りますが、ゆっくりとした動作でゴムの張力に耐え、大胸筋に対してエキセントリック収縮(伸張性収縮)をかけるのが効かせるコツです。

【正しいやり方と手順】

①胸を張り、肩甲骨を寄せて構える

②肩甲骨を寄せたまま腕を押し出す

③腕を押し出したら、軽く腕を閉じる動作を行うとともに顎を引いて大胸筋を完全収縮させる

なお、本種目は腕を押し出す角度によって効果のある部位が変化しますが、それぞれの種目名と特徴は以下の通りです。

●チューブプルオーバー

プルオーバーはやり方により大胸筋から広背筋まで効果のある部位が変化する、やや特殊な種目です。

特に大胸筋に対しては、数少ない縦方向の収縮刺激になるため、発達停滞期に最適です。

大胸筋をターゲットにする場合は、肘を曲げて行いますが、これをベントアームプルオーバーとも呼びます。

チューブプルオーバーは、肘の角度によって効果のある部位が大胸筋から広背筋まで変化しますが、それは以下の通りです。

◯ストレートアームチューブプルオーバー

肘を伸ばして行うバリエーションで、広背筋に効果があり、肘は外に張り出すように開いて構えます。

◯ベントアームチューブプルオーバー

肘を曲げて行うバリエーションで、大胸筋に効果があり、肘を内に絞るように閉じて構えます。

チューブプルオーバーは、頭の上でトレーニングチューブをグリップして構えますが、ターゲットにする筋肉に合わせて肘の角度を決めてください。

本種目は、胸郭が膨らんだ状態で行ったほうが筋肉に負荷がかけやすいので、構えたら大きく息を溜めたまま腕を前方に下ろしていきます。

腕を下ろしたら、大胸筋をターゲットにする場合は肩甲骨は寄せず、広背筋をターゲットにする場合は肩甲骨を寄せて、それぞれの筋肉を完全収縮させます。

【正しいやり方と手順】

①頭の上でトレーニングチューブをグリップして構える

②ターゲットにする筋肉に合わせて肘の角度を決める

③腕を下ろし、ターゲットする筋肉を完全収縮させる

④元に戻る

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■大胸筋上部のチューブトレーニング

●インクラインチューブチェストプレス

斜め下方から斜め上方に向けて腕を押し上げる軌道で行うインクラインチューブチェストプレスは、 大胸筋のなかでも上部に集中的な負荷がかかるバリエーションです。

【正しいやり方と手順】

①背中側からテンションをかけて手を胸の前にして構える

②肘を引きながら手を胸の横までゆっくりとやや斜め下方に引く

③大胸筋を伸ばしてから手を前に斜め上方に押し出し戻る

④呼吸をして再び肘を引いて腕を引く

⑤目標回数まで繰り返す

■大胸筋下部のチューブトレーニング

●デクラインチューブチェストプレス

斜め上方から斜め下方に向けて腕を押し出す軌道で行うデクラインチューブチェストプレスは、大胸筋のなかでも下部に対して強い負荷のかかるバリエーションです。

【正しいやり方と手順】

①背中側からテンションをかけて手を胸の前にして構える

②肘を引きながら手を胸の横までゆっくりと斜め上方に引く

③大胸筋を伸ばしてから手を前に斜め下方に押し出し戻る

④呼吸をして再び肘を引いて腕を引く

⑤目標回数まで繰り返す

■大胸筋内側のチューブトレーニング

●チューブチェストフライ

チューブチェストフライは大胸筋の内側に集中的な効果があり、胸トレーニングの仕上げにおすすめな種目です。

チューブチェストフライは、両手でトレーニングチューブをグリップし、大きく腕を開いて構えます。

そこから腕を閉じていきますが、肩甲骨をしっかりと寄せることが重要で、肩甲骨の寄せ方が甘いと肩から初動することになり、三角筋に負荷が分散してしまいます。

セット中は常に肩甲骨を寄せた状態を保ってください。

腕を胸の前で閉じたら、そこから腕を少し前に押し出すとともに顎を引いて大胸筋内側を完全収縮させます。

また、本種目は腕を閉じる時のコンセントリック収縮(短縮性収縮)だけでなく、腕を開いて元に戻る時にもゆっくりとした動作で大胸筋にエキセントリック収縮(伸長性収縮)を加えることが大切です。

なお、本種目は腕を閉じる角度によっていくつかのバリエーションがあります。それぞれの種目名と特徴は以下の通りになります。

◯インクラインチューブチェストフライ

斜め上方に腕を閉じる軌道で行うバリエーションで、大胸筋上部内側に有効です。

◯デクラインチューブチェストフライ

斜め下方に腕を閉じる軌道で行うバリエーションで、大胸筋下部内側に有効です。

◯クロスオーバーチューブチェストフライ

トレーニングチューブをグリップした手と反対側まで深く腕を閉じるバリエーションで大胸筋内側に非常に強い負荷がかかります。

【正しいやり方と手順】

①トレーニングチューブをグリップして構える

②肩甲骨を寄せて腕を閉じていく

③腕を閉じたら、さらに手を前方に突き出すとともに顎を引いて大胸筋内側を完全収縮させる

④ゆっくりとエキセントリック収縮をかけながら元に戻る

●インクラインチューブチェストフライ

斜め下方から斜め上方に向けて動作する軌道で行うインクラインチューブチェストフライは、大胸筋のなかでも上部内側に集中的な負荷のかかるバリエーションです。

【正しいやり方と手順】

①背中側斜め下方からテンションをかけて胸の前で腕を閉じて構える

②ゆっくりと効かせながら肘を伸ばしたまま、腕を斜め下に開く

③大胸筋をできるだけ伸ばし元に戻る

④呼吸をして再び腕を開く

⑤目標回数まで繰り返す

●デクラインチューブチェストフライ

斜め上方から斜め下方に向けて動作する軌道で行うデクラインチューブチェストフライは、大胸筋のなかでも下部内側に集中的な負荷がかかるバリエーションです。

【正しいやり方と手順】

①背中側斜め上方からテンションをかけて胸の前で腕を閉じて構える

②ゆっくりと効かせながら肘を伸ばしたまま、腕を斜め上に開く

③大胸筋をできるだけ伸ばし元に戻る

④呼吸をして再び腕を開く

⑤目標回数まで繰り返す

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※当サイトの表現するバルクアップとは筋肥大、バストアップとは胸の土台となる大胸筋のバルクアップ、ダイエットとは健康的な体脂肪率の減少、引き締めとは食事管理と合わせた総合的なダイエットを指します。

【執筆者情報】上岡岳|日本アームレスリング連盟常任理事|元日本代表|国際レフリー|ジムトレーナー|生物学学芸員