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大胸筋のジムマシントレーニング|上部・下部・内側の部位別に鍛える筋トレ方法

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大胸筋のジムマシントレーニングを、上部・下部・内側の部位別に詳しく解説します。

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記事制作©FutamiTC/MazurenkoJapan


■ジムマシンの種類と特徴

ジムに設置されているマシンには主に以下のようなタイプがあります。

①専用マシン

一つのマシンが一つの種目専用に設計されたタイプです。

②ケーブルマシン

ケーブルと滑車を組み合わせたマシンで、フレキシブルな軌道でトレーニングできるのが特徴です。

③スミスマシン

バーベルをマシンの柱とレールで支えるタイプで、フリーウエイトトレーニングに近い感覚でトレーニングができます。

・Wikipediaによる記載

スミスマシン(Smith machine)は、筋力トレーニングを行う際に使用される器具である。重量トレーニングに使われ、バーベルがマシンに取り付けられ、固定されていることが特徴である。

バーベルが固定されていることから、フリーウエイトよりも高重量に挑戦しやすく、可動域は狭くなるがパワーラックと違い軌道も安定するので怪我をしにくい。

引用:Wikipedia「スミスマシン」

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■大胸筋の構造と作用

●大胸筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止

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読みかた:だいきょうきん
英語名称:pectoralis major muscle
部位詳細:上部中部(内側)下部
起始:鎖骨の内側胸骨前面第2~第6肋軟骨腹直筋鞘前葉
停止:上腕骨大結節稜

●上部・下部・内側に分けられる

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大胸筋は上部・下部・内側に分けられ、全てが同時に収縮することで「腕を前方に押し出す」作用があります。また、それぞれの部位ごとの作用は以下のようになります。

〇上部:腕を斜め上方に押し出す

〇内側:腕を胸の前で閉じる

〇下部:腕を斜め下方に押し出す

▼さらに詳しい筋肉の構造と作用

【筋肉部位名称スマホ完全図鑑】胸・背中・腕・腹・下半身・インナーマッスルの名前と鍛え方

・Wikipediaによる記載

大胸筋(だいきょうきん)は、胸部の筋肉のうち、胸郭外側面にある胸腕筋のうち、鎖骨、胸骨と肋軟骨(第2~第7前面)、腹直筋鞘の3部を起始とし、上外方に集まりながら、上腕骨の大結節稜に停止する。大胸筋を鍛える筋力トレーニング法には多くの種目が存在する。最も手軽で一般的なのはプッシュアップ(腕立て伏せ)であり、バーベルを使ったベンチプレス、ダンベルを使ったダンベル・フライなどもよく知られている。身体前面に位置し、もっとも目立つ筋肉の一つであることからボディビルなどでは重要視される筋肉の一つ。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/大胸筋

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■大胸筋の筋トレの負荷回数設定

●筋繊維の種類と特徴

筋肉を構成している筋繊維には主に三種類があり、それは、筋繊維TYPE2b(速筋|FG筋)、筋繊維TYPE2a(速筋|FO筋)、筋繊維TYPE1(遅筋|SO筋)で、それぞれの特徴と鍛えるのに適切な反復回数は以下の通りです。

●筋繊維TYPE2b(速筋|FG筋)

収縮が速く(Fast)、グリコーゲン(Glycogen)を消費する速筋で、FG筋とも呼ばれます。30秒以内の瞬発的な動作で爆発的に収縮し、鍛えると強く筋肥大します。筋肥大バルクアップ筋トレのターゲットとなる筋繊維で、10回前後の反復回数で限界がくるような高負荷設定でトレーニングします。

●筋繊維TYPE2a(速筋|FO筋)

収縮が比較的速く(Fast)、酸素(Oxygen)と脂肪酸を消費する速筋で、FO筋とも呼ばれます。60秒以内の持久要素のある瞬発的な動作で収縮し、鍛えるとある程度の筋肥大が起こります。細マッチョ筋トレや女性の部分ボリュームアップのターゲットとなる筋繊維で、15回前後の反復回数で限界がくる中負荷設定でトレーニングします。

●筋繊維TYPE1(遅筋|SO筋)

収縮が比較的遅く(Slow)、酸素(Oxygen)と脂肪酸を消費する遅筋で、SO筋とも呼ばれます。60秒以上の持久的な動作で持続的に収縮し、鍛えると筋密度が向上し引き締まります。引き締めダイエット筋トレのターゲットとなる筋繊維で、20回以上の反復回数で限界がくる低負荷設定でトレーニングします。

・Wikipediaによる記載

筋線維には大きく2種類あり、ミトコンドリアに富んで酸素を利用した持続的な収縮の可能な遅筋線維(Type 1、赤筋、色の原因は、酸素結合性タンパク質、ミオグロビンである)と、ミトコンドリアは比較的少なく解糖系による瞬発的な収縮の可能な速筋線維(Type 2、白筋)にわけられる。速筋線維の中でもやや持続的収縮に向いたものはType 2a、そうでないものはType 2X、Type 2bとさらに細分される。なお、遅筋線維、速筋線維はそれぞれ遅筋、速筋と呼ばれることが多い。さらには、両者の性質を備えた中間筋の存在も認められている。

引用:Wikipedia「速筋繊維と遅筋繊維」

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■大胸筋全体のジムマシントレーニング

●マシンチェストプレス

マシンチェストプレスは大胸筋全体に有効な胸トレーニングの基本となるジムマシン筋トレです。

マシンチェストプレスは、まずシートの高さを調整しグリップが肩より下になるようにします。グリップが肩より高いと三角筋に負荷が分散してしまいます。

シートに座り、グリップを握ったら胸を張り肩甲骨を寄せて腕を押し出していきます。肩甲骨の寄せ方が甘いと、肩から初動することになり肩関節に強い負担がかかってしまいますので、セット中は常に肩甲骨を寄せたままにしてください。

また、腕を押し出したら、その位置でやや顎を引くことで大胸筋を完全収縮させることができ、さらに有効です。

大胸筋を完全収縮させたら、そこからゆっくりとウエイトに耐えながら、大胸筋にエキセントリック収縮(伸長性収縮)をかけることも大切なポイントです。

なお、チェストプレスマシンには、腕を押し出す角度を変えられるタイプがありますが、その角度と効果のある部位は以下の通りになります。

◯水平に腕を押し出す

大胸筋全体に効果がある

◯斜め上方に腕を押し出す

大胸筋上部に効果がある

◯斜め下方に腕を押し出す

大胸筋下部に効果がある

【正しいやり方と手順】

①シートの高さを調整し、グリップが肩より下になるように構える

②肩甲骨を寄せたまま腕を押し出し、顎を引いて大胸筋を完全収縮させる

③ゆっくりと効かせながら元に戻る

●スミスマシンベンチプレス

スミスマシンベンチプレスは、バーベルベンチプレスに近い感覚で大胸筋を鍛えられるジムマシン筋トレです。

スミスマシンを使ったトレーニング全般に言えることですが、スミスマシンはウエイトのブレをマシンのレールが支えてくれるので、筋肉に負荷をかけることに集中できるメリットがある反面、フォームが良くないと歪みが全て関節や靭帯に帰ってきます。事前にウエイトをつけずにフォームの確認動作を行い、関節や靭帯に負担がかからないフォームを確認することをおすすめします。

本種目の場合は、グリップした拳が肩のラインを越えて頭側にならないようにすることが大切です。

スミスマシンベンチプレスはベンチに仰向けになり、80cm程度のグリップ間隔でシャフトを握ります。

そこから、肩甲骨を寄せ、足で上半身を押すように力を加えてブリッジを作り構えます。

グリップを握る→肩甲骨を寄せる→足を踏ん張る、腰をつけるというのが正しいブリッジの組み方で、順番を間違えると上手くブリッジが組めませんので注意してください。

ブリッジを作って構えたら、シャフトをラックアウトして胸に下ろしていきますが、この時に胸の上でバウンドさせると、効果が半減するだけでなく、胸骨や肋骨をいためる原因になります。

シャフトはバウンドさせず、胸の上で一瞬静止するようにコントロールしてください。

シャフトを胸に下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま、腰を浮かせずにシャフトを押し上げます。

肩甲骨の寄せ方が甘いと、肩から初動することになり、大胸筋に効かないばかりか、肩関節に強い負担がかかります。

また、腰を浮かせると上げやすくなりますが、筋肉に対する負荷は弱まりますので、腰は最後までシートにつけるようにしましょう。

なお、大胸筋の収縮と首の連動性を考慮し、腕を押し上げた位置でやや顎を引く動作を加えると、大胸筋が完全収縮して有効です。

【正しいやり方と手順】

①ベンチに仰向けになり、シャフトをグリップし、肩甲骨を寄せてブリッジを作って構える

②シャフトをラックアウトし、筋力でコントロールしながら胸まで下ろす

③腰を浮かせないように気をつけ、腕を押し上げ、顎を引いて大胸筋を完全収縮させる

■大胸筋上部のジムマシントレーニング

●インクラインスミスマシンチェストプレス

スミスマシンインクラインベンチプレスは、上半身を斜めに起こして行うバリエーションで、大胸筋上部に有効です。

【正しいやり方と手順】

①インクラインベンチに仰向けになり、シャフトをグリップし、肩甲骨を寄せて構える

②シャフトをラックアウトし、筋力でコントロールしながら胸まで下ろす

③腰を浮かせないように気をつけ、腕を押し上げ、顎を引いて大胸筋を完全収縮させる

●スミスマシンリバースグリップベンチプレス

リバースグリップ系のプレス種目として最もおすすめなのがスミスマシンでのリバースグリップベンチプレスです。ダンベルやバーベルなどのフリーウエイトでリバースグリッププレスをすると、どうしても動作が不安定になりがちですが、スミスマシンの場合はブレをマシンのレールが支えてくれるので非常に動作がスムーズです。

【正しいやり方と手順】

①ベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、シャフトを逆手でグリップする

②シャフトをラックアウトする

③肩甲骨を寄せたままシャフトを胸まで下ろす

④シャフトが胸についたら元の位置まで押し上げる

●ローケーブルフライ

大胸筋上部に有効なケーブルマシン筋トレが、低い場所からケーブルを引き上げるようにして行うローケーブルフライです。腕を閉じたポジションで手を合わせ、前方へさらに押し出す動作を加えると効果が倍増します。

【正しいやり方と手順】

①胸を張り、アタッチメントをグリップする

②肩甲骨を寄せ、肘の角度を動かさずに腕を斜め上方へ閉じていく

③腕を閉じたら、やや前方に拳を押し出すとともに顎を引き大胸筋内側を完全収縮させる

④同じ軌道でゆっくりと大胸筋にストレッチをかけながら元に戻る

なお、腕を閉じる軌道によって効果のある部位が以下のように変化します。

■大胸筋下部のジムマシントレーニング

●ディップマシンプレス

大胸筋下部に高重量で負荷をかけられる種目がディップマシンプレスです。腰を浮かせてから腕を押し込む動作をすると、体重を使ってウエイトを押し下げてしまうので、しっかりとシートに腰をつけたまま動作を行うことが重要です。

●スミスマシンデクラインベンチプレス

スミスマシンを使ってで大胸筋下部を集中的に鍛えることのできる種目がスミスマシンデクラインベンチプレスです。ブリッジを組み、より重い重量で行うことで飛躍的に効果が向上します。

●ハイケーブルフライ

ケーブルマシンで大胸筋下部を追い込めるのが、高い位置からケーブルを引くハイケーブルフライです。こちらもローケーブルフライと同様にフィニッシュポジションで手を合わせて前方に押し出す動作を加えると有効です。

■大胸筋内側のジムマシントレーニング

●マシンチェストフライ

マシンチェストフライは大胸筋内側に集中的な効果があるジムマシン筋トレです。

マシンチェストフライは、まずはグリップが肩より下になるようにシートを調整します。グリップが肩より上になると、肩関節に強い負担がかかりますので、必ず事前に確認してください。

シートに座ったら、肩甲骨をしっかりと寄せ、グリップを握って構えます。肩甲骨の寄せ方が甘いと、肩から初動することになり肩関節に開き負荷がかかりますので、常に肩甲骨を寄せたまま動作を行います。

構えたら、そこから肘を軽く曲げたままら肘の角度は動かさないようにして、腕を前方で閉じます。

腕を閉じたら、その位置でやや腕を前に押し込みながら顎を引くことで大胸筋内側が完全収縮して効果が高まります。

大胸筋が完全収縮したら、そこからウエイトに耐えながら、ゆっくりと大胸筋にエキセントリック収縮(伸長性収縮)をかけながら戻していきます。

本種目は、筋肉を収縮させることだけでなく、大胸筋を最大伸展させるストレッチ動作も大切ですので、できるだけ大きく腕を開いてください。

【正しいやり方と手順】

①グリップが肩より下になるようにシートを調整して座る

②肩甲骨を寄せたまま、肘の角度を変えずに腕を閉じていく

③腕を閉じたら、やや前にグリップを押し込み、顎を引いて大胸筋内側を完全収縮させる

④ゆっくりと効かせながら、できるだけ腕を開いた位置まで戻る

●スミスマシンナローベンチプレス

スミスマシンナローベンチプレスは、上腕三頭筋を中心に大胸筋内側にも効果があります。

本種目は、肩幅よりも狭い手幅で行うと、手首に強い負担がかかりますので注意が必要です。

なお、肘を開き気味にすると上腕三頭筋短頭に、閉じ気味にすると長頭に効果があります。

●ケーブルフライ

ケーブルフライは大胸筋内側に集中的な効果があるジムマシン筋トレです。

ケーブルフライは両手にアタッチメントをグリップし、肩甲骨を寄せ、腕を大きく開いて構えます。そこから、肘を軽く曲げたまま肘の角度は変えずに腕を閉じていきます。

肩甲骨の寄せ方が甘いと、肩から初動することになり、肩関節に強い負担がかかりますので注意してください。また、肘の角度を動かしてしまうと、負荷が上腕二頭筋に分散してしまいますので、こちらも注意が必要です。

腕を胸の前で閉じたら、やや前に拳を押し出し、顎を引く動作を加えると、大胸筋内側が完全収縮して効果が高まります。

大胸筋を完全収縮させたら、そこからゆっくりとウエイトに耐えながら戻していき、できるだけ大きく腕を開いて大胸筋を最大伸展させることも大切なポイントです。

【正しいやり方と手順】

①アタッチメントをグリップし、腕を大きく開いて構える

②肩甲骨を寄せたまま腕を閉じていく

③腕を閉じたら、やや前に拳を押し出し、顎を引いて大胸筋内側を完全収縮させる

④ゆっくりとストレッチをかけながら元に戻る

●クロスオーバーフライ

クロスオーバーケーブルフライは身体の前側で両手をクロスさせることにより、より大胸筋を強く収縮させることのできるバリエーションです。

なお、1レップごとに上下させる手を交代させると、よりシンメトリカルに効きます。

●ワンハンドケーブルフライ

ワンハンドケーブルフライは身体の正面を大きく超えて手を対角線側に移動させることで、最強レベルの収縮を大胸筋に与えられるバリエーションです。

大胸筋トレーニングの仕上げ種目として、やや軽めの重量設定で大きな動作で大胸筋を完全伸展・完全収縮させることをおすすめします。

●ライイングケーブルフライ

ライイングケーブルフライは、腰に不安のある方などにおすすめの方法で、姿勢を維持することに意識をとられることなく、大胸筋の伸展と収縮に意識を集中させることが可能です。

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※当サイトの表現するバルクアップとは筋肥大、バストアップとは胸の土台となる大胸筋のバルクアップ、ダイエットとは健康的な体脂肪率の減少、引き締めとは食事管理と合わせた総合的なダイエットを指します。

【執筆者情報】上岡岳|日本アームレスリング連盟常任理事|元日本代表|国際レフリー|ジムトレーナー|生物学学芸員