腕相撲(アームレスリング)の技別に必要となる握力の種類とその鍛え方について解説します。
※本記事は一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟により、競技の普及を目的として公開されています。ウエイトトレーニング愛好家の方々が、まずは一般的な腕相撲から始まり、さらに本記事をきっかけにアームレスリング競技に興味を持っていただけますと幸いです。
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腕相撲(アームレスリング)の二つの技
トップロール(吊り手)
一般的な腕相撲にはない、アームレスリング独特のテクニックで、肘を支点にして身体を後方へ落とし、てこの原理を使って相手の指先を吊り上げるようにして倒す技です。
一般的に腕相撲は、手首を屈曲・回外させ(巻き込む)動作で行われますが、トップロールでは手首を屈曲・回内させ、相手の指先をめくるように伸ばします。
こちらが、トップロールのスタート時の動きを再現した画像です。
攻撃するのは相手の指先で、その作用点は自身の手の甲(相手の指が当っている部分)です。実際に引くのは背中(肩の後ろ)になりますが、真後ろに引くのではなく、肘を支点として背中をやや前方+下方に倒すことにより、相手の指先を後方+上方に吊り上げます。
ちょうど「くぎ抜き」の要領です。
フック(噛み手)
一般的な腕相撲の概念に近い動作のテクニックがフック「噛み手」と呼ばれる技で、どちらかと言えばパワー系の技ですが、通常の腕相撲の「手首を巻き込み力で倒す」技ではなく、相手よりも手首の位置が相手より高くなるように前腕をひねり上げ、相手の手を下敷きにするといったテクニック動作を伴います。
噛み手(フック)はパワー技とされ、「力任せに手首を巻き込む」と誤解されがちですが、実際はそんなことは全くありません。
そもそも、力任せに手首を巻き込んだだけだと、全くの五分五分です。それでは、技でも何でもありませんよね。
一見、お互い同等に手首を巻き合っているように見えますが、自分に有利なようにフックしているのは、あくまでむかって左の選手です。
手の高さ(指先の高さ)を見てください。明らかに左の選手が指を上にしています。基本的に、アームレスリング・腕相撲では手が相手より下になったら力が入らず非常に不利です。右の選手は、すでにまともに力が入れられる状態ではありません。
握力の三種類
一般的に「握力」とされるのは三種類ある握力のうちの「クラッシュ力」ですが、握力の種類は以下の通りです。
①クラッシュ力
ものを握るつぶす強さがクラッシュ力で、一般的に握力と呼ばれています。
②ピンチ力
ものをつまむ力がピンチ力で、柔道・レスリングなどの対人コンタクト競技で重要となる力です。
③ホールド力
ホールド力はグリップを維持する力で、体操競技、クライミング競技、ウエイト競技などで重要な力です。
腕相撲の技ごとに必要な握力と鍛え方
トップロール(吊り手)にはピンチ力
トップロール(吊り手)に重要となるのが、相手の親指をコントロールするために作用するピンチ力(つまむ力)です。
トップロールを一言で表現すると「相手の親指をコントロールして倒す技」です。
腕相撲やアームレスリングで手を組んだときに、相手の親指をグリップするのは親指・人差し指・中指の三本で、握るときは指が半ば伸びた状態です。
この状態で必要となる握力は「つまむ力」=ピンチ力で、上図のようにハンドグリップを逆向きに保持して開閉することで鍛えられます。
引用:https://mazurenko-japan.blogspot.com/2020/04/blog-post_46.html
フック(噛み手)にはホールド力
フック(噛み手)に重要となるのが、吊られないようにするとともに相手の拳全体をコントロールするために作用するホールド力です。
フックでトップロールに負けないためにもっとも重要なことは、指先を開かされずに相手の手の甲を押さえることで、このような握力をホールド力と呼びます。
ホールド力を鍛えるためにおすすめの方法はいくつかありますが、通常のトレーニングのなかで無意識に鍛えるためには、ウレタンなどをバーに巻きつけグリップを太くする方法が一般的です。
また、メディシンボールなどの重い球形のものを指全体で掴んで保持するトレーニング方法も有効です。
引用:https://mazurenko-japan.blogspot.com/2020/04/blog-post_46.html
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※当サイトの表現するバルクアップとは筋肥大、バストアップとは胸の土台となる大胸筋のバルクアップ、ダイエットとは健康的な体脂肪率の減少、引き締めとは食事管理と合わせた総合的なダイエットを指します。
【執筆者情報】上岡岳|日本アームレスリング連盟常任理事|元日本代表|国際レフリー|ジムトレーナー|生物学学芸員