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【アクティブレスト】筋肉痛時にあえて筋トレ・ストレッチで回復を早めるメニュー例

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一般的に筋肉痛時に筋トレなどをすると超回復を阻害するので相応しくないとされていますが、近年はあえて筋肉痛時に軽い筋トレ・ストレッチをして血行や代謝を高めて回復を早める手法「アクティブレスト」が盛んになってきています。

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※本記事は提供元サイト(BUKIYA-MOBILE/武器屋.net)より転載・出力しています。著作権・コンテンツ権・引用および免責事項についてはこちらをご参照ください。


※本記事は世界チャンピオン金井選手山田選手も所属し、ワールドゲームズや国体にも参加実績のある公式競技団体「JAWA」の情報記事として公開されています。

■筋肉痛の原因とメカニズム

●伸張性収縮で引き起こされるが発生メカニズムは不明

筋肉痛の原因は伸張性収縮(エキセントリック収縮)であるとされています。伸張性収縮とは、筋肉が収縮方向とは逆方向の負荷を受けながら耐える動きで、具体的には重力に逆らいながらゆっくりとバーベルを下ろして効かせる(ネガティブトレーニング)がそれにあたります。

なお、伸張性収縮とは逆の短縮性収縮(コンセントリック収縮)では筋肉痛が起こらないので、競技練習と筋トレを並行して行う場合などは覚えておくと便利です。

筋肉痛の発生原因はすでに解明されていますが、これだけ科学が進んだ現在でも、その発生メカニズムは完全に解明されていません。

疲労物質・乳酸の蓄積が筋肉痛の発生メカニズムとする説や、筋繊維の微細な裂傷により発生するという説が主流ですが、いずれの説にも科学的に整合性のとれない部分があり、結論には至っていません。

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■筋肉痛時に筋トレをしていいのか

●通常の筋トレは超回復を阻害するのでNG

人間の筋肉は、筋トレなどにより負荷を受けると筋肉痛になり、その後24~72時間をかけて回復します。

筋肉には、回復時に負荷を受ける前より強くなって回復するという特性があり、これを「超回復」と呼びます。そして、意図的に筋トレなどで筋肉を筋肉痛にし超回復させて鍛えていく方法が「超回復理論」です。

ここで、問題になるのが「筋肉痛時に筋トレをしていいのか」ということですが、超回復理論に従えば筋肉の超回復を阻害するので、筋肉痛時の筋トレは避けるのが原則です。

ただし、筋肉をストレッチさせ血行をよくする程度の軽い筋トレは、超回復を早める効果があり、その手法が「アクティブレスト」=「動的休養」なのです。

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■筋トレ(無酸素運動)と超回復理論に関する公的情報

”筋肉はレジスタンス運動を行うと筋線維の一部が破断されます。それが修復される際にもとの筋線維よりも少し太い状態になります。これを「超回復」と呼び、これを繰り返すと筋の断面積が全体として太くなり筋力が上がります。筋力のトレーニングはこの仕組みを利用して最大筋力に近い負荷でレジスタンス運動し、筋が修復されるまで2~3日の休息ののち、またレジスタンス運動でトレーニングということの繰り返しによって行われます。(厚生労働省|e-ヘルスネット)”

▼厚生労働省公式ページ

筋肉の超回復に関する記載

■具体的なアクティブレストの筋トレ

全身を「上半身の押す筋肉群」「上半身の引く筋肉群」「下半身の筋肉群」の三つに部位分割し、それぞれに最適なアクティブレスト筋トレをご紹介します。

ダンベルを使用しますが、あくまで筋肉をストレッチさせるための重りと考え、その重量は1~5kg程度ときわめて軽重量で行ってください。

●上半身の押す筋肉群のアクティブレスト筋トレ

上半身の押す筋肉群のアクティブレスト筋トレとして最適なのがダンベルプレスです。ダンベルを下ろしきったポジションで大胸筋・三角筋・上腕三頭筋が最大伸展しますので、十分にストレッチをして動作を行いましょう。

●上半身の引く筋肉群のアクティブレスト筋トレ

上半身の引く筋肉群のアクティブレスト筋トレに最適なのがダンベルローイングです。ダンベルを下ろしきったポジションで広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋が最大伸展しますので、十分にストレッチ動作を加えましょう。

●下半身の筋肉群のアクティブレスト筋トレ

下半身の筋肉群のアクティブレスト筋トレとして最適なのがダンベルランジです。フロントランジとサイドランジの両方を行えば、下半身の筋肉(大腿四頭筋・大臀筋・大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋・下腿三頭筋・前脛骨筋)を十分にストレッチすることが可能です。

■筋トレ後にはストレッチをする

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アクティブレストの筋トレをした後に重要なのがストレッチの実施です。

筋トレ後のストレッチは、筋肉のクールダウンになるだけでなく、血行をよくすることにより疲労物質の排出を促進し、これにより少しでも早い超回復を促すことができます。また、ゆっくりと静かにストレッチをすることで、トレーニングで活性化した自律神経を副交感神経優位の休息モードにスイッチすることができます。

●大胸筋のストレッチ

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大胸筋は肩関節を基部として体幹前面に扇状に広がる筋肉で、その収縮方向は図に示したように大きく三方向となります。その収縮方向にともなう作用は以下の通りです。

・大胸筋上部:腕を斜め前方に押し出す

・大胸筋中部:腕を前方で閉じる

・大胸筋下部:腕を斜め下方に押し出す

また、大胸筋のストレッチ・伸展方向はそれぞれこの逆となり、その関係は以下のようになります。

・大胸筋上部:腕を斜め下後方に伸ばす

・大胸筋中部:腕を後方に開いて伸ばす

・大胸筋下部:腕を斜め上後方に伸ばす

●背筋群のストレッチ

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表層の大きな背筋として、首の後ろから腰にかけて逆三角形に広がる僧帽筋と、脇から腰にかけて逆三角形に広がる広背筋の二つがあります。その収縮方向は上図に示し、その作用は以下の通りです。

・僧帽筋上部:腕を斜め下方から引く

・僧帽筋下部:腕を前方から引く

・広背筋:腕を前方および上方から引く

また、それぞれのストレッチ・伸展方向は収縮方向と逆の以下のようになります。

・僧帽筋上部:腕を斜め下方に伸ばす

・僧帽筋下部:腕を前方へ大きく伸ばす

・広背筋:腕を前方および上方に伸ばす

●肩と腕のストレッチ

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三角筋は上図のように前部・側部・後部の三つの部位から構成されており、それぞれの収縮方向と作用は以下の通りです。

・三角筋前部・腕を前に上げる

・三角筋側部:腕を横に上げる

・三角筋後部:腕を後ろに上げる

また、それぞれのストレッチ・伸展方向は収縮後方の逆の方向と動作になります。

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上腕二頭筋は図のように長頭と短頭の二つの部位から構成されており、それぞれの収縮方向と主な作用は以下の通りです。

・上腕二頭筋長頭:肘関節の屈曲と前腕の回外

・上腕二頭筋短頭:肘関節の屈曲と前腕の回外

また、それぞれのストレッチ・伸展方向は収縮後方の逆の方向と動作になります。

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上腕三頭筋は図のように長頭と外側頭・内側頭の三つの部位から構成されており、それぞれの収縮方向と主な作用は以下の通りです。

・上腕三頭筋長頭:肘関節の伸展と肩の内転

・上腕三頭筋外側頭:肘関節の伸展

・上腕三頭筋内側頭:肘関節の伸展

また、それぞれのストレッチ・伸展方向は収縮後方の逆の方向と動作になります。

●下半身のストレッチ

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大腿四頭筋は、大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋の四つの部位から構成されており、その構造と収縮方向の概要は上手のようになります。大腿四頭筋は、これら四つの筋肉部位が共働し「膝関節を伸展させる」作用を持つほか、大腿直筋には股関節を屈曲させる作用もあります。

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ハムストリングスは大腿二頭筋長頭および短頭・半腱様筋・半膜様筋の3つの筋肉4部位から構成されており、大腿二頭筋は「膝関節の屈曲・股関節の伸展・股関節の外旋」の作用、半腱様筋は「膝関節の屈曲・膝関節の内旋・股関節の伸展・股関節の内旋」の作用。半膜様筋は「膝関節の屈曲・膝関節の内旋・股関節の伸展・股関節の内旋」の作用をそれぞれ持っています。

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臀筋群は大臀筋・中臀筋・小臀筋の三層構造をしており、三つの筋肉が共働して「股関節の伸展および内旋・外旋・外転」の作用を行います。

そして、大腿四頭筋・ハムストリングス・臀筋群ともに収縮方向とは逆の伸展方向に対してストレッチを行うのが正しいやり方です。

●筋肉部位別のストレッチ方法(動画つき解説)

筋肉部位別ストレッチ方法|大胸筋・背筋・三角筋・上腕・大腿別に動画で解説

●ストレッチに関する公的見解

”ストレッチングとは意図的に筋や関節を伸ばす運動です。体の柔軟性を高めるのに効果的であり、準備運動や整理運動の一要素としても活用されています。最近では美しい姿勢の保持やリラクゼーションの効果が明らかとなってきました。”

▼参照ページ(eヘルスネット)

ストレッチングの効果

”ストレッチングを実施する際に注意すべき原則は5つあります。「1. 時間は最低20秒」「2. 伸ばす筋や部位を意識する」「3. 痛くなく気持ち良い程度に伸ばす」「4. 呼吸を止めないように意識する」「5. 目的に応じて部位を選択する」ということです。”

▼参照ページ(eヘルスネット)

ストレッチングの実際

これら引用したように、厚生労働省の公式情報ページ(eヘルスネット)でも、ストレッチに関する一定の評価は記載されています。

■筋肉痛時は十分なタンパク質補給を

●高タンパク質食品やプロテインをたくさん摂ろう

筋肉痛時には、アクティブレスト筋トレなどで血行や代謝を高めることも非常に重要ですが、それと同等に大切なのがタンパク質の補給です。

下記の記事には、筋トレと食事メニューに関する科学的な情報が詳細かつ具体的に記述されています。どうぞ、ご参照ください。

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【執筆者情報】上岡岳|日本アームレスリング連盟常任理事|元日本代表|国際レフリー|ジムトレーナー|生物学学芸員