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【筋トレメニューの順番】高重量複合関節コンパウンド種目から低重量単関節アイソレーション種目が正しい

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非常によくあるトレーニングの質問の一つに「筋トレの順番」があります。すでにその答えは「複合関節運動(コンパウンド種目)・高重量種目から単関節運動(アイソレーション種目)・低重量種目へ」とタイトルに示しましたが、さらに詳しく筋肉部位別の具体的種目の順番も例示しつつ解説します。

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※本記事は世界チャンピオン金井選手山田選手も所属し、ワールドゲームズや国体にも参加実績のある公式競技団体「JAWA」の情報記事として公開されています。

※当サイトでは、科学的に正しい記載を行うことを第一に考えており、「厚生労働省|eヘルスネット」および公共性の高い情報サイトである「Wikipedia」からエビデンスを担保しています。主なエビデンスに関してはこちらのページでご確認ください。

■複合関節種目と単関節種目

●動員する筋肉が複数の関節にまたがるか否か

まず、筋トレ種目には大きく「複合関節トレーニング種目(コンパウンド種目)」と「単関節トレーニング種目(アイソレーション種目)」とがあります。

そのトレーニング種目に動員する筋肉が複数でかつ複数の関節にまたがる動作をするものを複合関節トレーニング(コンパウンド種目)と呼び、動員する筋肉が単一の関節のみであるものを単関節トレーニング(アイソレーション種目)と呼びます。

具体例をあげれば、広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋を動員し使われる関節が肩関節と肘関節の複数にまたがる懸垂(チンニング)などは「複合関節トレーニング」です。

一方、上腕二頭筋を動員し使用する関節が肘関節単一のアームカールなどは「単関節トレーニング」です。

そして、ほとんどの場合、複合関節トレーニング=高重量>単関節トレーニング=低重量となります。

それでは、次の項目ではより具体的に全身の筋肉のトレーニングの順番を解説していきましょう。

■筋トレの具体的な順番

●全身を一度に鍛える時の筋トレの順番

中級者~上級者は身体の筋肉を部位別に分割するスプリットトレーニングを導入しているでしょうから、ここでは主に筋トレをはじめて間もない、週一回の筋トレで全身を鍛える初心者を対象に記述します。

多くの初心者が、鏡で自分で見ることのできる「ミラーマッスル」=「大胸筋」から一日のトレーニングを始めますが、それは間違いです。

筋肉の強さで並べれば、「下半身グループ」≧「背筋グループ」>「大胸筋グループ」です。大胸筋など弱い筋肉から筋トレをスタートすると疲れてしまい、より強い下半身や背筋の筋トレをきちんと追い込めなくなります。

ですので、模範的なトレーニングの順番は…

①スクワットなど下半身の複合関節トレーニング

②懸垂やデッドリフトなど背筋の複合関節トレーニング

③腕立て伏せやベンチプレスなど大胸筋の複合関節トレーニング

④レッグエクステンションやレッグカールなど下半身の単関節トレーニング

⑤プレスダウン・サイドライズなど大胸筋共働筋=上腕三頭筋・三角筋の単関節トレーニング

⑥各種カールなど背筋共働筋=上腕二頭筋・上腕筋の単関節トレーニング

という順番になります。

ミラーマッスルの大胸筋→上腕二頭筋という初心者がやりがちな順番は非常に効率が悪いのでご注意ください。

・公益社団法人による記載

筋力トレーニングの対象となる骨格筋のなかで、最大の体積を持つのは大腿四頭筋で、ついで広背筋です。また、筋肉グループとしての筋量は多い順に、①下半身の筋肉、②上半身の引く筋肉、③上半身の押す筋肉、④体幹の筋肉、になります。

このため、同日に複数の筋肉グループをトレーニングする場合の実施の順番は以下の通りです。

①下半身の筋肉

②上半身の引く筋肉

③上半身の押す筋肉

④体幹の筋肉

引用:公益社団法人JPA「筋力トレーニングを実施する順番」

●部位分割での筋トレの順番

次にスプリットトレーニングで背筋群(上半身の引く筋肉群)、大胸筋群(上半身の押す筋肉群)、下半身の筋肉群に分割してトレーニングをする場合の筋トレの一般的な順番を解説します。

●背筋とその共働筋の筋トレの順番

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背筋とその共働筋には、主に広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋・上腕筋・前腕筋群があります。そして、そのトレーニングの順番と効果のある筋肉が以下の通りです。①から順に行い、それぞれ強度の高い順に「>」で表記しています。なお、背筋群は広背筋+僧帽筋、上腕群は上腕二頭筋+上腕筋です。

①複合関節トレーニング

デッドリフト(背筋群・前腕筋群)>懸垂(背筋群・上腕群・前腕筋群)>ラットプル・ローイング種目(背筋群・上腕群・前腕筋群)

②単関節トレーニング

ショルダーシュラッグ(僧帽筋・前腕筋群)>各種カール(上腕二頭筋・上腕筋・前腕筋群)>各種リストカール(前腕筋群)

●大胸筋とその共働筋の筋トレの順番

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大胸筋とその共働筋には、主に大胸筋・三角筋・上腕三頭筋があります。そして、そのトレーニングの順番と効果のある筋肉が以下の通りです。①から順に行い、それぞれ強度の高い順に「>」で表記しています。

①複合関節トレーニング

ベンチプレス(大胸筋・三角筋・上腕三頭筋・)>ディップ(大胸筋・上腕三頭筋)>ショルダープレス

②単関節トレーニング

プレスダウン系種目(上腕三頭筋)>フライ系種目(大胸筋)>ショルダーライズ系種目(三角筋)

●下半身筋肉群の筋トレの順番

下半身の筋肉群には、主に大臀筋・大腿四頭筋・大腿二頭筋・下腿三頭筋があります。そして、そのトレーニングの順番と効果のある筋肉が以下の通りです。①から順に行い、それぞれ強度の高い順に「>」で表記しています。

①複合関節トレーニング

スクワット(大臀筋・大腿四頭筋・大腿二頭筋・下腿三頭筋)>ランジ系種目(大臀筋・大腿四頭筋・大腿二頭筋・下腿三頭筋)

②単関節トレーニング

レッグプレス(大腿四頭筋)>レッグカール(大腿二頭筋)>各種カーフレイズ(下腿三頭筋)

■ターゲットにする筋繊維の種類でも順番を考慮する

●筋繊維の種類と負荷回数の関係


筋トレで鍛える骨格筋を構成している筋繊維には以下の三種類があり、それぞれの特徴は次の通りです。

①速筋繊維TYPE2b
およそ10秒以内の短時間に瞬発的な収縮をし、鍛えると強く筋肥大します。10回前後の反復回数で限界がくる重さの設定で鍛えます。

②速筋繊維TYPE2a
30~60秒ほどの持続的かつ瞬発的な収縮をし、鍛えると程よく筋肥大します。15回前後の反復回数で限界がくる重さの設定で鍛えます。

③遅筋繊維TYPE1
60秒以上の持久的な収縮をし、鍛えると筋密度が向上し引き締まります。20回以上の反復回数で限界がくる重さの設定で鍛えます。

つまり、バルクアップ目的なら①、細マッチョや女性の部分ボリュームアップ目的なら②、引き締めダイエット目的なら③、の負荷回数設定で筋トレを行っていきます。

●FG筋繊維を先に鍛えた後にFO筋繊維を鍛える

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また、筋トレの順番は鍛える筋繊維の種類によっても考慮をしなくてはいけません。具体的には、より高重量で鍛える速筋type2b=FG筋を先に、中負荷で鍛える速筋type2a=FO筋を後に鍛えます。

・厚生労働省による記載

骨格筋を構成している筋繊維には大きく分けて速筋と遅筋の2種類があります。速筋は白っぽいため白筋とも呼ばれます。収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出すことができますが、長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまいます。老化が早く、20歳前後から急速に衰えるといわれています。遅筋は赤みがかった色から赤筋とも呼ばれます。収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできませんが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができます。年齢を重ねても衰えにくいといわれています。骨格筋の収縮は、筋繊維の中にあるアデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれる化合物が分解してリン酸基がひとつはずれ、アデノシン二リン(ADP)になるときに発生するエネルギーを利用しています。

引用:厚生労働省eヘルスネット「骨格筋」

筋肉はレジスタンス運動を行うと筋線維の一部が破断されます。それが修復される際にもとの筋線維よりも少し太い状態になります。これを「超回復」と呼び、これを繰り返すと筋の断面積が全体として太くなり筋力が上がります。筋力のトレーニングはこの仕組みを利用して最大筋力に近い負荷でレジスタンス運動し、筋が修復されるまで2~3日の休息ののち、またレジスタンス運動でトレーニングということの繰り返しによって行われます。

引用:厚生労働省eヘルスネット「筋力・筋持久力」

・Wikipediaによる記載

筋線維には大きく2種類あり、ミトコンドリアに富んで酸素を利用した持続的な収縮の可能な遅筋線維(Type 1、赤筋、色の原因は、酸素結合性タンパク質、ミオグロビンである)と、ミトコンドリアは比較的少なく解糖系による瞬発的な収縮の可能な速筋線維(Type 2、白筋)にわけられる。速筋線維の中でもやや持続的収縮に向いたものはType 2a、そうでないものはType 2X、Type 2bとさらに細分される。なお、遅筋線維、速筋線維はそれぞれ遅筋、速筋と呼ばれることが多い。さらには、両者の性質を備えた中間筋の存在も認められている。

引用:Wikipedia「速筋繊維と遅筋繊維」

■具体的な筋トレの順番

●ジムトレーニングの模範的なプログラム

この項目では、実際のジムでのマシントレーニングの具体的な順番・プログラムを例示します。各種目名は動画付き解説記事へのリンクとなっていますので、日々のトレーニングにご活用ください。

●上半身の押す筋肉グループのマシントレーニングの順番

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上半身の押す筋肉のマシントレーニングでは、以下の順番で行うのが一般的に正しい順番です。

①スミスマシンベンチプレス・マシンチェストプレスなど大胸筋・三角筋・上腕三頭筋の三つの筋肉を使う複合関節種目

②マシンショルダープレス(三角筋と上腕三頭筋)・マシンディップ(大胸筋と上腕三頭筋)など二つの筋肉を使う複合関節種目

③マシンフライ・ケーブルフライなど大きな筋肉=大胸筋を使う単関節種目

④トライセプスプレスダウン・ケーブルサイドレイズなど小さな筋肉=三角筋・上腕三頭筋を使う単関節種目

●上半身の引く筋肉のマシントレーニングの順番

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上半身の引く筋肉のマシントレーニングでは、以下の順番で行うのが一般的に正しい順番です。

①スミスマシンデッドリフト・Tバーローイングなど広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋の三つの筋肉を使う高重量複合関節種目

②ケーブルラットプルダウン・ケーブルローイングなど広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋の三つの筋肉を使う低重量複合関節種目

③ケーブルショルダーシュラッグ(僧帽筋)などの高重量単関節種目

④ケーブルカール(上腕二頭筋)などの低重量単関節運動

●下半身の筋肉グループのマシントレーニングの順番

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①スミスマシンスクワット・レッグプレスなど大腿四頭筋・ハムストリングス・下腿三頭筋の三つの筋肉を使う複合関節種目

②レッグエクステンション(大腿四頭筋)・レッグカール(ハムストリングス)など大きな筋肉の単関節種目

③マシンカーフレイズ(下腿三頭筋)などの小さな筋肉の単関節種目

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【ジムマシントレーニングの順番】男性バルクアップ・女性ダイエットそれぞれの組み方

■筋トレと有酸素運動の順番について

●筋トレの目的により理想的な順番は異なる

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無酸素運動である筋トレとランニングなどに代表される有酸素運動の両方を行っていく場合、筋肥大筋トレとダイエット筋トレでは組み合わせ方や時間配分が異なります。この項目では、筋トレの目的別に最適な有酸素運動との組み方を解説します。

●無酸素運動と有酸素運動

・厚生労働省による記載

ヒトが生命を維持するためには、生体内においてエネルギーを作り出すことが必要です。有酸素性エネルギー代謝は、そのエネルギー生成過程のひとつの経路で、主に脂肪酸をエネルギー源として利用します。このエネルギー代謝は、運動中においても重要な働きをしています。運動時には運動強度や運動時間により、無酸素性エネルギー代謝と有酸素性エネルギー代謝が、シーソーの関係でエネルギー源を供給しています。無酸素性エネルギー代謝では、グルコースが主なエネルギー源として利用され、有酸素性エネルギー代謝では、脂肪酸が主なエネルギー源として利用されます。

引用:厚生労働省eヘルスネット「有酸素性エネルギー代謝」

・Wikipediaによる記載

有酸素運動(ゆうさんそうんどう、Aerobic exercise、Cardio workout)とは、好気的代謝によってヘモグロビンを得るため長時間継続可能な軽度または中程度の負荷の運動をいう。

有酸素運動では、体内の糖質や脂肪が酸素とともに消費される。 これに対して、酸素を消費しない方法で筋収縮のエネルギーを発生させる運動を無酸素運動(むさんそうんどう; Anaerobic exercise)という。

引用:Wikipedia「有酸素運動」

無酸素運動(むさんそうんどう、Anaerobics)とは、有酸素運動ではない運動であり、以下の2種類を含む。

・乳酸系 – 解糖系により、グリコーゲンを酸素を使わずに乳酸に分解し、エネルギーを生成させる。陸上競技のロングスプリントと呼ばれる400メートル競走や中距離走は主にこれをエネルギー源とする。

・非乳酸系 – 、クレアチンリン酸(Creatine phosphate:CP)の分解によりADPからの無酸素的なATPの生成に使われ、ATPをエネルギー源とする瞬発力。陸上競技の100メートル競走では、主にこれをエネルギー源とする。

引用:Wikipedia「無酸素運動」

●筋肥大筋トレと有酸素運動の組み合わせ

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筋肥大筋トレの場合、同日に有酸素運動を行わずに、筋トレと筋トレの間の日に交互に有酸素運動を行うのが効率的です。また、筋肥大筋トレ自体も筋肉を部位分割して一週間をかけてローテーションで鍛えていく部位分割法=スプリットトレーニングが最効率ですが、具体的に部位分割筋トレと有酸素運動の一週間の組み合わせ例を例示します。

月曜日:上半身の押す筋肉群の筋トレ

火曜日:有酸素運動

水曜日:下半身の筋肉群の筋トレ

木曜日:休養日

金曜日:上半身の引く筋肉の筋トレ

土曜日:有酸素運動

日曜日:休養日

超回復を考慮して、上半身の筋トレは曜日をできるだけ離すのがセオリーですので「上半身の押す筋肉」→「下半身の筋肉」→「上半身の引く筋肉」の順番で筋トレを組とともに、下半身の次の日は脚の超回復を考慮して休養日としてプログラムを組みました。

●ダイエット筋トレと有酸素運動の組み合わせ

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・脂肪燃焼だけを考慮すると筋トレ→有酸素運動

脂肪燃焼だけを考えた場合、筋トレで筋細胞内のグリコーゲンを枯渇させておき有酸素運動をすることで素早く脂肪燃焼ができるというのは間違いではありません(そのように推奨するネット情報も少なくありません)。しかし、そこには大きな落とし穴があります。

きっちりと筋トレをして各筋肉、とくに下半身の筋肉をオールアウトした(完全に追い込んだ)場合、筋トレの後にランニングをするといった事は、脚が動かないので不可能で、転倒などのリスクがあり危険です。例えば、もう一回も反復できないといった、限界まで追い込んだスクワットを3~5セット行なった後に走れますか?無理ですよね。

また、有酸素運動を後で行うから筋トレを軽めにするというのもダイエット効果としては非効率です。有酸素運動と筋トレのダイエット効果を比較した場合、有酸素運動はその場だけのカロリー消費なのに対し、筋トレは翌日・翌々日にも筋肉痛回復のための代謝カロリー向上効果があり、トータルでの消費カロリーは筋トレ>>有酸素運動です。

有酸素運動のために、よりダイエット効果の高い筋トレを準備運動にするというのは決して効率的とは言えませんよね。

・先に有酸素運動を30分してから筋トレをする

ダイエット筋トレの場合、筋トレ前に30分ほど有酸素運動を行ってから筋トレを行うのが効率的で最適な方法です。先にも解説したとおり、ダイエット筋トレでは下半身を強く追い込むケースがほとんどなので、筋トレの後に有酸素運動を行うと、突然下半身の力が抜けたりし、転等や怪我のリスクがありますので、有酸素運動→筋トレという順番で行ってください。

また、有酸素運動は体脂肪が効率的に燃焼を始めるまで20分ほどかかりますので、時間の目安としては30分は行うようにするとよいでしょう。この場合、息が上がるほどの運動をする必要はなく、軽いランニング程度の脈拍がやや上がる状態を30分継続したほうが体脂肪燃焼には効率的です。

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※当サイトの表現するバルクアップとは筋肥大、バストアップとは胸の土台となる大胸筋のバルクアップ、ダイエットとは健康的な体脂肪率の減少、引き締めとは食事管理と合わせた総合的なダイエットを指します。

【執筆者情報】上岡岳|日本アームレスリング連盟常任理事|元日本代表|国際レフリー|ジムトレーナー|生物学学芸員